株式会社GENDAは、M&Aによる非連続な成長戦略により、世界一のエンターテイメント企業を目指しています。その成長を支えるのが、グループ各社が持つ強みを最大化し、シナジーを創出するBizDev(ビジネスディベロップメント)チームです。
学生起業を経てGENDAに入社し、このBizDevメンバーに加わった山﨑駿輔さんは、意思決定力と実行力を併せ持った実力派として、2社のPMI責任者を務め、活躍の場を広げてきました。直近まで山﨑さんの上司だったGENDA Americas CDOの重村 裕紀さんと山﨑さんに、PMIの手法や考え方について聞きました。
◆プロフィール
GENDA Americas, Inc.
Chief Digital Officer
重村 裕紀(しげむら・ひろき)氏
2016年、株式会社FiNC(現・株式会社FiNC Technologies)にエンジニアとして入社。その後、ヘルスケアアプリFiNCのプロダクトマネジメントに従事。2020年GENDAに入社、CTOとしてIT領域のPMIや開発組織の立ち上げを担当。2021年にCPOとしてデジタル領域のマネジメントに従事。2024年6月よりGENDA Games取締役。同年9月よりCGO(Chief Growth Officer)兼 経営戦略室室長に就任し、事業デューデリジェンスの精度向上やPMIプロセスにおける事業成長支援を担当。2025年3月より株式会社SMART EXCHANGE取締役に就任(兼任)。2026年3月にGENDA Americas, Inc.のChief Digital Officerに就任。
株式会社GENDA
CGO付 ビジネスデベロップメント
株式会社SMART EXCHANGE 取締役
山﨑 駿輔(やまざき・しゅんすけ)氏
灘高校卒業後、2018年に東京大学工学部に入学。東京大学大学院在学中にオンライン家庭教師サービスを起業し、副代表として事業成長を牽引。GENDAの多様な事業機会、M&Aへの深い関与に魅力を感じ、大学院を中退し、2025年2月、GENDA 経営戦略室に参画。2026年3月に株式会社SMART EXCHANGEの取締役に就任。
学生起業からGENDAに参画した背景は?
――学生のときに起業したそうですね。どんな学生時代でしたか?
山﨑
大学院生のときに1年間、ミダスキャピタルのインターンをしていました。事業に関わるというよりは、投資先企業のCTOの方々を招聘するイベント運営に携わることが多かったです。重村さんともイベント運営を通して出会いました。
インターンとほぼ並行して、起業しました。東大生が教えるマンツーマンオンライン個別指導塾を同期と立ち上げたんです。最初の半年間は大学院で研究を続けながら経営していましたが、事業が思うように伸びなかったので一度、フルコミットしようと。それで大学院を休学し、ミダスキャピタルでのインターンも一度休み、自分の会社に専念しました。
営業体制を見直して、月300万円ほどの広告費をかけて採用も強化したところ、問い合わせ件数が月300件ほどと一気に増えました。生徒数も1カ月で50人規模で増え、事業を成長させることができました。

――軌道に乗った会社を続ける道を選ばず、GENDAへの入社を決めたのはなぜでしょうか。
山﨑
事業は堅調で、2年以内のエグジットを目指していましたが、「東大生講師でシェアNo.1」を達成したあたりで現モデルでの限界が見え始めました。将来のキャリアを考えると、同じ環境に留まるよりも、スピード感があり、M&Aで事業を拡大させているGENDAで仕事をするほうが自己成長につながると考えたからです。
重村
山﨑さんはインターンから非常に優秀で、責任感が強く、細部への配慮が際立っていました。イベント運営のような裏方業務が多い仕事でも手を抜かず、丁寧に進めていた姿勢が印象に残っています。
学生で起業していたので、ビジネスへの理解が深く、経営の解像度も高かったので、片岡さん(GENDA 代表取締役社長CEO)と「ぜひGENDAに来てほしい」とオファーしていましたが、当時は起業の道を選びました。ですが、2年後ぐらいに「GENDAで働きたい」と連絡をもらって、入社が実現しました。
また、ミダスキャピタルの新卒第1号である桝田拓磨さんが、山﨑さんを紹介してくれたことも大きかったです。桝田さんの推薦で山﨑さんがインターンに参加してくれましたから。
SMART EXCHANGEのPMI事例
――GENDAに入社してから取り組んできた職務内容をお聞かせください。
山﨑
2025年2月に入社しましたが、同年3月にGENDAが取得した株式会社アクトプロの外貨両替機事業「SMART EXCHANGE」への参画が決まっていたため、2月から資料の読み込みや市場調査に取り組み、3月からPMIをスタートしました。
PMIはフルコミットで関わり、事業のバリューアップにつながることであれば、領域を限定せず、全力で取り組みました。サポートに入っていただいた重村さんと壁打ちをしながら施策を整理した上で、株式会社SMART EXCHANGE(以下、SMART EXCHANGE)の中野雅人社長に提案し、PMIを進めました。

――重村さん、SMART EXCHANGEのM&Aの背景はどのようなものでしたか。
重村
SMART EXCHANGEのM&Aは、GENDAとして新たな事業領域「ツーリズム」の案件でした。外貨両替機事業と、インバウンド需要が高まるアミューズメント事業との親和性の高さに加え、回収した外貨を海外事業を進めるグループ会社に転用できるファイナンスのシナジーもありました。
事業は収益性が高く、利益規模も堅調でしたが、事業譲渡に伴うガバナンス・管理体制の強化が課題でした。GENDAはこれまで多くのM&Aを実施させていただいており、BizDevに蓄積されたノウハウを横展開することで事業をさらに伸ばせると考えていました。
――PMIに関して、重村さんのアドバイスの中で、特に印象に残っている場面や実際に役立ったエピソードがあればぜひ聞かせてください。
山﨑
重村さんのPMIの手法は、網羅的に進めることはもちろんですが、トップが思い描いてもいなかったような提案で、事業成長に大きなインパクトを出すことを常に意識している点です。
SMART EXCHANGEで言えば、外貨両替機の場所で手数料率を細かく調整するといった施策は比較的スタンダードかと思います。これに加え、現金を補充するタイミングや配送ルートをAIで最適化できる可能性を提案することで、事業全体の見え方を変えるアプローチができました。AIのルート予測を導入することで、集金・入金効率が上がりました。
これまで見えなかった景色を提案する重村さんの仕事の進め方から、多くのことを学ばせていただいています。
――難しさを感じた場面はありませんでしたか。
山﨑
SMART EXCHANGEの中野社長に信頼いただくことはもちろん、現場のメンバーの方々からも「この人が入ることで会社が良くなる」と実感していただくことが重要でした。
今回のPMIにはGENDAの管理部門の方も入っており、役割分担を明確にしながら進める必要がありました。ただ、その整理が若干後手に回ったことが反省点です。早い段階で役割を切り分け、関係者ごとの適切なコミュニケーションを設計できていれば、チーム全体の成果もより早く出せたので今後に生かします。

――重村さんは、山﨑さんの仕事ぶりをどうご覧になっていますか。
重村
M&A後のPMIやBizDevには、戦略コンサルティングファームや事業会社の経営ポジションにて一定の経験を経て就くのが一般的です。ですが、山﨑さんは大学院からGENDAに参画し、今はSMART EXCHANGEと、フォトスタジオ展開の株式会社キャラットのPMI責任者をしています。GENDAでも未知な領域である2つの事業の成長責任を担い、非常に稀有なキャリアを歩んでいます。
起業家として営業や組織マネジメントを経験してきたことで、現場へのリスペクトや経営陣との丁寧なコミュニケーションなど、配慮や謙虚さが備わっています。
何より信念も強く、確信を持ったテーマに対して、責任を自ら引き受け、実行までやり切る力は、経験がなければなかなか身につかないものです。その点からも、経営人材として傑出したポテンシャルを感じています。後ろに引かずにファイティングポーズをとり続ける力があると思います。
事業会社と戦略コンサルの魅力が詰まった環境
――ミダスキャピタルとの相互扶助について、どのような場面で恩恵を感じますか。
重村
「この領域ならこの人が詳しい」といった形で“水先案内人”の方に、すぐにつないでいただけることは、大きな価値だと感じています。加えて、採用面のサポートが非常に手厚いです。山﨑さんもそうですが、私自身も株式会社GROWTH VERSE代表の南野充則さんのご紹介でGENDAに入りました。

山﨑
SMART EXCHANGEのルート最適化プロジェクトでは、ミダスキャピタルの投資先企業である、訪問介護・看護DXの株式会社ZESTのCTOの方に秘匿情報の範囲を超えない中で相談し、いただいた助言を参考にして実装を進めました。
また、組織の人数が増えたときには、株式会社BuySell Technologies代表取締役社長の徳重浩介さんに、KPIの組み方や組織マネジメントなどアドバイスをいただきました。このように、日常的に各分野のスペシャリストと対話できる環境は、非常に貴重です。
――GENDAのBizDevで働く魅力はどこにあるとお考えですか?
重村
GENDAは多くのM&Aを通じて、常に事業が継続的に拡大しています。そのため、一般的な事業会社のように「この事業の経営企画室長」という固定的な役割ではなく、複数の責任ある役割を兼務し続けることができるのが魅力です。
私自身もアミューズメント、カラオケ、外貨両替など、様々な領域の事業に関わってきましたし、山﨑さんも外貨両替とフォトスタジオの両方を統括しています。そういう意味では、事業会社と戦略コンサルティングファームの魅力が詰まったハイブリッドな環境こそが、GENDAならではの特徴と言えるかもしれません。
また、GENDAは海外展開を積極的に行っているため、グローバルで経営経験を積みたい方にとっては、大きな成長機会がある環境です。
山﨑
私は自分の意思と実行力次第で、事業を大きく動かせる裁量の大きさにあると思っています。片岡社長やグループ会社の社長とは週次でコミュニケーションを取る機会があります。そうした場で目線を合わせるなかで、「それいいね、すぐやろう」と判断していただければ、すぐ実行に移せるスピード感があります。自分の提案や判断が事業に直結しやすいのは、仕事へのやりがいにつながっています。
――最後に、今後の展望についてお聞かせください。
山﨑
GENDAは「2040年、世界一のエンターテイメント企業に」というVisionを掲げています。実現に向けて、新規事業の成功事例を創出し、PLを改善して事業インパクトを生み出す。それがBizDevの使命だと考えています。
この1年を振り返ると、多様な事業機会に触れ、自分の強みと課題感がはっきりしました。自ら手を動かして推進する力はある一方、組織やステークホルダーを巻き込み、チームとして成果を最大化するための力が課題です。今後は、組織を動かすスキルを身につけ、GENDAの非連続な成長に貢献したいです。
重村
「世界中の人々の人生をより楽しく」というGENDAのAspiration/大志を実現させるためには、グローバルでの事業成長が不可欠です。
特にアメリカには大きな成長機会があると捉えており、飛躍的な成長を実現できれば、ヨーロッパやアジアなど他地域への事業拡大の足掛かりとなり、「グローバルなお客様にも楽しさを広げられる企業」へと進化できると考えています。各事業のDX推進と事業成長に最大限コミットしていきます。
――ありがとうございました。
※役職とインタビュー内容は2026年5月29日時点の情報です。