「世界に冠たる企業群を創る」というビジョンを掲げる、PEファンドの株式会社ミダスキャピタル(以下、ミダスキャピタル)。他の多くのファンドと異なり、内部資本のみを運用するスタイルで超長期投資を実行しています。投資先企業のイグジットを前提とせず、半永久的に株式を保有しながら企業群の時価総額の総計を1兆円、10兆円、100兆円にするという目標を追いかける点が特徴です。投資先企業の合計時価総額は5,000億円を超えました。(2025年9月時点)
その独自の投資哲学のもと、投資担当者は、投資判断から企業価値向上までを主体的に担い、将来的には投資先企業の経営に就く道も開かれています。
ミダスキャピタルから海外企業とのJVへ出向し、執行役員CFOを務める丸山拓也さんと、投資先企業に転籍し、執行役員CFOに就いた久山貴久さんに、ミダスキャピタルならではの成長環境と独自のキャリアパスについて聞きました。
◆プロフィール
株式会社ミダスキャピタル ディレクター
株式会社OCEVIA Holdings 執行役員CFO 兼 ASIAHUB ONE PTE LTD 取締役CEO
丸山拓也氏
同志社大学大学院卒。みずほ証券株式会社にて、約6年にわたってTMTセクターにおけるM&A アドバイザリー業務に従事。2019年より、米国みずほ証券、M&A Advisory Groupにて約5年間にわたり、ニューヨークを拠点にM&Aアドバイザリー業務に従事。業界や規模を問わず、幅広い顧客のクロスボーダーM&A案件を現場で担当した。2024年6月に株式会社ミダスキャピタルへ入社後は、投資案件ソーシング、企業価値評価・DD、既存投資先支援および金融機関との関係構築業務にディレクターとして従事。2026年4月から株式会社OCEVIA Holdingsに執行役員CFOに就任するとともに、シンガポールに立ち上げたASIAHUB ONE PTE LTDの取締役CEOとして現地に出向。
株式会社羅針盤 執行役員CFO
久山貴久氏
ゴールドマン・サックス証券株式会社の投資銀行部門にてM&Aアドバイザリー業務及び資金調達の引受業務に従事。2021年より株式会社ミダスキャピタルの投資本部にて案件ソーシング、企業価値評価、DD、契約交渉などの投資案件検討及び投資先支援などに従事し、2022年12月より株式会社羅針盤の立ち上げを担当。2024年1月から同社執行役員CFOに就任。
独自の投資哲学と、傑出人材が入社の決め手に
――ミダスキャピタルに関心を持ったきっかけは何でしたか。
丸山
前職のみずほ証券では、10年以上アドバイザーとしてM&Aに携わってきました。非常に面白く、やりがいもありましたが、アドバイザーの立場から、より意思決定に関与する立場で案件に関わりたいと思っていたことがきっかけです。
PEファンドでは、案件のソーシングから投資判断、投資後の価値創造まで一連のプロセスに関われます。数あるPEファンドの中で、ミダスキャピタルを選んだ理由は、独自の投資哲学があったからです。

他のPEファンドは、外部資金を調達し、5年ほどでIRR(内部収益率)を最大化する出口戦略が求められます。経済的な側面からは正しいやり方だと思います。一方、事業会社の経営陣が描く構想の実現には5年、10年もの時間がかかることもあります。短期的なリターンの追求は、事業成長の側面からは一定の制約を生じさせると感じていました。
一方で、ミダスキャピタルのファンドは自己資本のみで形成されていて、外部LP(出資者)から資金調達をする通常のPEファンドと比較すると、イグジットの制約からは本当の意味で解放されています。10年、20年といった長期的視点で、柔軟な投資戦略をとれる点が魅力でした。
久山
私は、最初からPEファンドを志望していたわけではありませんでした。ゴールドマン・サックス証券で経験を積んだ後、PEファンドやヘッジファンド、スタートアップなど幅広いキャリアを検討していました。
丸山さんもお話されていましたが、他の多くのPEファンドは、短期的リターンを追求し、コスト構造の改善やレバレッジを活用して企業価値を高め、最終的に売却するスタイルです。合理的な仕組みではあるものの、本当に企業のためになるのか、疑問も感じていました。他のPEファンドでは私の前職・同部署の方も多いと感じましたが、せっかくであれば経営者や事業家など違う人達と一緒に働くほうが面白いかなとも考えました。

そんなときに出会ったのがミダスキャピタルでした。丸山さんもお話されたように、中長期の価値創造を重視する点が他のファンドとは異なっていました。また、スタートアップや成長企業への投資を通じて経営支援する中で、経営を担う眼を養える環境があると感じました。いい意味で完成されすぎていない少数精鋭組織のため、鳥の眼・虫の眼の両方が必要です。細かなKPIや数字までを見ることで、経営の現場感を養うことができます。
なにより惹かれたのが、一緒に働く人たちです。代表の吉村英毅さんをはじめ、これまで出会ったことのない経営者や事業家などのバックグラウンドを持つ方々でした。ここでなら大きく成長できると感じ、入社を即決しました。
――ミダスキャピタルでの職務はどのような内容でしょうか。
丸山
投資本部のディレクターとして、案件のソーシングや財務モデルの構築、DD(デューデリジェンス)、投資委員会への資料作成、最終的な契約交渉までを担当しました。
ミダスキャピタルが検討する案件の規模は、事業の成長とともに大きくなってきており、私が入社したころにはすでに上場会社関連の案件も多数ありました。関わるステークホルダーも企業の創業者をはじめ、上場企業の経営層まで多様な案件の機会があります。
ミダスキャピタルの特徴は、年齢や役職などの階層で分業化しているわけではなく、それぞれの得意分野や適性に応じて、非常に大きい裁量と責任をもって業務に携わることです。投資先候補の経営陣に初回から自分で会いに行ったり、投資委員会のメンバーと直接投資判断について議論したりするぐらいの深い関わり方なので、主体的に投資検討のプロセスを進められます。
久山
私も丸山さんとほぼ同じ職務でした。違いとしては、私が在籍していた当時よりも丸山さんがいた直近の方が、検討する案件のサイズはより大きなものになっていると感じます。経営陣と密にディスカッションを重ねながら投資を検討していくプロセスには、やりがいを感じました。全ての投資判断を自ら主導し、ダイナミックに案件を動かせるのが、ミダスキャピタルで働く最大の面白さです。

――ミダスキャピタルでの成長エピソードをお願いします。
久山
ビジネスを見る“眼”が鍛えられました。「この会社の重要なKPIは何か」「どのレバーを引けば成長につながるのか」といった事業の本質に踏み込み、考える場面が増えました。経営者の視点で事業を見る力がついたことが、最も大きな成長でした。
丸山
自分が案件全体を取りまとめ、主体的に意思決定に関与する立場になったことです。M&A自体は長年携わってきましたが、自らが当事者となって買収資金の調達に伴う金融機関との交渉など、アドバイザー時代には主導してこなかった領域も担うようになりました。
また、企業経営者との議論では、知識や理論だけでは通用しない場面も多く、これまでとは違う難しさを感じました。
ただ、判断に迷ったときには、タイムリーにいつでもパートナーと議論しながら進めることができます。意思決定までの考え方を間近で学べる環境があります。
投資先企業の経営へ 広がるキャリアの可能性
――久山さんは2022年から、ミダスキャピタルの投資先企業である、株式会社羅針盤の立ち上げに参画しました。どのような経緯だったのでしょうか。
久山
投資先企業を支援する中で、企業の成長を後押しするには、現場へ深く入るハンズオン支援が重要だと感じるようになりました。
そんなとき、「3社統合により新しく会社を立ち上げるので、統合後のPMIを担当してほしい」と今の羅針盤のメンバーから声をかけていただきました。会社名を決め、ミッション・ビジョンを策定し、採用計画を立てるといった根幹を、当事者として決定していくことに面白さを感じました。
吉村さんに「羅針盤にフルコミットさせていただきたい」とお伝えし、転籍しました。PEファンドから取締役で出向するケースはよくありますが、私のように完全な転籍は珍しいと思います。
――参画前と後での変化をお聞かせください。
久山
現場では想定外の出来事が日々起こります。その難しさも含めて事業を動かすことに大きな面白さがあります。まずはIPOという目標に向かって、一社の成長を当事者として支えることにやりがいを感じています。
――丸山さんは、ミダスキャピタルから出向し、海外パートナーとのジョイントベンチャー(JV)で経営に携わっています。
丸山
入社当初は、このようなキャリアを歩むとはイメージしていませんでした。投資担当として入ったので、その領域でのスキルアップを考えていました。
ただ、実際にゼロから投資判断を任される立場になると、投資先企業の事業や財務状況を深く理解し、どうバリューアップするかを考えてアウトプットする機会が増えます。その企業にとって最も合理性の高い提案を模索する中で、自然とより深くコミットするようになっていきました。
今回立ち上げたOCEVIAは、ミダスキャピタルと実績ある海外パートナー企業による共同出資で、東南アジア各国に海底ケーブル網を新設することを起点とした事業を計画しています。そこで私が、踏み込んだ意見や問題提起を重ねながら関与していった結果、最終的にパートナー企業からも信頼していただけるようになり、経営に参画する機会を頂きました。

投資先企業へのハンズオン支援が、経営者としての視座と自信を育てる
――ミダスキャピタルの投資担当を経てから、CFOなどの経営ポジションに進むメリットにはどのようなものがありますか。
丸山
私の場合、ミダスキャピタルを経ずに、ダイレクトにCFOになる選択肢はありませんでした。投資先の検討や支援を通じて、さまざまな事業や経営者と向き合いながら、自分なりの考えをアウトプットし、自信を深めていく時間があったからこそ、今のキャリアにつながりました。
また、複数の案件を経験する中で、自分に合った領域や勝ち筋を見極められたことも大きかったですね。投資銀行出身者が、未経験の事業会社の経営に飛び込む場合、もっと小規模なスタートアップから参画するケースが多いと思います。ミダスを経由したからこそ、今携わっているような、大きな案件に挑戦できていると感じています。
久山
私も、丸山さんと同じです。事業会社に直接入る場合、限られた情報の中で意思決定をしなければなりません。ですが、ミダスキャピタルでは投資先を深く理解し、経営陣と長い時間をかけて信頼関係を築きながら関わることができます。
ハンズオンで支援する中で、自分なりの仮説や勝ちパターンを描けるようになったうえで、経営に携わることができました。経営者としての視点や覚悟が育てられました。

長期保有と相互扶助が生む、ミダスキャピタルの強み
――ミダスキャピタルが他のPEファンドと比較し、案件の取得確度が高いのはどのような強みがあるからだと考えますか。
久山
ミダスキャピタルのユニーク性は、PEファンドとしての機能を持ちながら半永久的な株式保有も可能な柔軟性にあります。短期的なイグジットを望まないオーナーにはファンドの色を出さずに、「外部転売は避けたい」というニーズには超長期の株式保有や継続的な支援を打ち出せる点が、大きな強みになっています。
また、外部LPを持たず、自己資金でファンドを運営しているため、投資検討における意思決定のスピードも早く、企業価値や成長戦略の検討により多くの時間を割けます。
さらに、通過点としてIPOを前提としているため、そこから逆算した一貫性のあるアプローチができます。投資先企業にとっても、「どんなに大変でもIPOを成し遂げる」という明確な目標があることで、意思決定しやすくなります。
もちろんIPOを通過点として上場後もグロースさせていきますが、こうした明確なマイルストーンがあるからこそ、全員が同じ方向を向いて走り続けられる。この一貫した姿勢こそが、他にはないミダス独自の強みであり、最大の優位性だと思いますね。
――ミダスキャピタルと投資先企業の相互扶助は、どのような形で行われていますか。
丸山
経営や事業運営では日々、細かい課題が発生します。現職に就いて以降、ミダスキャピタルと投資先企業のネットワークを活用し、多くの方の知見に頼っています。具体的には社内の管理規定などの細かい論点から、上場を見据えた座組についてまで日々、相談させてもらっています。
入社当時は、相互扶助の考え方や場があっても、そこまでの関係値はできていません。ただしミダスでは勉強会、家族会、3カ月に一度のミダス総会など多様な交流の場が設けられています。コミュニケーションの取りやすい関係性をつくるために、組織とメンバーが投資している点は大きいと思います。
久山
1カ月に一度のCFO会や上場準備を進めるフェーズの会社が集う会など、定期的な情報交換の場が設けられています。多様な業界の先進事例や、共通の課題をシェアして得られる知見には、大きな価値があります。
「カオス」こそ成長の源泉 新たな挑戦を楽しむ
――ミダスキャピタルやミダス企業群で、活躍されているメンバーのマインドセットや特徴を教えてください。
丸山
多様なバックグラウンドを持ち、個性豊かな人材が集まっている一方で、「大きな挑戦に向かって価値を生み出したい」という思いは共通しています。また、「ミダス企業群の時価総額を10兆円、100兆円にする」という目標を掲げるだけでなく、どうすれば実現できるかを真剣に議論しながら、この過程そのものを楽しんでいると感じます。
その中で、エクイティファイナンスやコミュニティマネジメントなど必要な専門チームや仕組みが自然に立ち上がってきました。これらの積み重ねが、多様な人材が同じ方向を見て互いに助け合い、支え合えるコミュニティになっているのではないかと思います。
久山
ミダスキャピタルが掲げるバリューに共感するメンバーが集まっています。「Maximize」「Give」「Enjoy」という3つのバリューを大切にしており、選考段階からこの価値観を徹底して共有しています。
この考え方に深く共感した仲間が集まっているからこそ、大きな目標に挑戦して互いに切磋琢磨し、そのプロセス自体を楽しむ強い一体感が醸成されているのです。
――これからのミダスキャピタルを創る仲間として、求める人物像はありますか?
久山
ミダスキャピタルの参画企業は、いい意味での「カオス」があります。複雑さや不確実性を楽しめる方、未知の領域への好奇心を持ち、変化を前向きに捉えられる方にはフィットすると思います。
安定よりも没頭できるテーマを探している方や、事業オーナーと関わりながら働きたい方にとっても、やりがいを見出せると思います。特に若手の方にとっては、大きな飛躍のきっかけになるはずです。
丸山
ミダスキャピタルには、自由度の高いキャリア形成ができる環境があり、個人の希望や成長段階に応じて、常に最適なチャレンジを選べる仕組みが整っています。
だからこそ、ファイナンスやM&A、AIなどの特定の分野で高い専門性を持ち、傑出した方に参画していただきたいです。
何より、ミダスキャピタルが掲げるビジョンに共感し、その実現に向けて高い熱量で一緒に取り組んでいただける方とご一緒したいですね。
――ありがとうございました。
※役職とインタビュー内容は2026年7月1日時点の情報です。